マイクロLEDディスプレイ: 卓越したビジュアルの未来

MACRO VIEW OF LED SCREEN DISPLAY WITH LOW DEPTH OF FIELD
目を見張るような視覚体験への需要がますます高まる世界で、マイクロLEDディスプレイは破壊的な技術として登場し、人々がスクリーンを通してどのように世界を認識し、相互作用するかを再定義することが期待されています。世界的なダイナミクスが急速に進化する中、この画期的な技術がディスプレイ業界の将来をどのように形作るかを理解することは重要です。IDTechExはさまざまな角度からの調査を行い、最新版の調査レポート『マイクロ LED ディスプレイ 2024-2034年: 技術、商品化、ビジネスチャンス、市場、有力企業』を発行しました。
 
ディスプレイ革命
 
LCD製造は、コスト効率と生産ラインの改善により中国本土に移転しつつあり、他地域ではLCD事業からの撤退が進んでいます。サムスン、LGディスプレイ、パナソニック、JDI、台湾企業数社は、注力先をシフトするか、LCDの生産への投資を削減しています。
 
OLED部門では、韓国企業がその成熟した技術、包括的なサプライチェーンや、手厚い上流での支援により、生産で優位に立っており、サムスンが小型・中型、LGが大型のLEDパネルでそれぞれ首位となっています。市場での強力な競合技術としては、フォトルミネセンスによる広色域化で知られている量子ドット(QD)技術が脚光を浴びつつあります。
 
マイクロLEDディスプレイの出現は、革命に他なりません。より鮮明で明るく、電力効率に優れたディスプレイを作ることに焦点を当てたこのテクノロジーは、従来のディスプレイ・ソリューションを破壊する態勢を整えています。しかし、Micro-LEDの何が他と違うのか?探ってみましょう。
 
ミクロとマクロの融合でゲームチェンジャーに
 
マイクロLEDディスプレイは、サブピクセルとして機能する自発光型無機LEDを土台にして作られています。一般的に、パッケージも基板もないマイクロメートルレベルの大きさであるこのLEDは、従来のピックアンドプレース技術とは異なる方法で移載します。
 
マイクロLEDの成功への鍵は、その独自の価値提案にあります。驚くほどクリアな映像、高輝度、高速リフレッシュレート、低消費電力、高ダイナミックレンジ、高コントラストを提供するだけでなく、透過性、シームレス接続やセンサー統合機能も実現し、長寿命化も期待できます。このような特長が、マイクロLEDがディスプレイ業界のゲームチェンジャーとなる理由です。
 
進化は続く
 
破壊的変化はマイクロLEDから始まりますが、そこで終わるわけではありません。マイクロLEDディスプレイは既存の用途の需要を満たすだけでなく、まったく新しい可能性をも生み出します。拡張現実/複合現実(AR/MR)、仮想現実(VR)、大型のビデオディスプレイ・テレビ・モニター、車載ディスプレイ、携帯電話、スマートウォッチおよびウェアラブル端末、タブレット、ノートパソコンという8つの既存用途が主に取り上げられています。
 
Potential applications targeted by Micro-LED displays. Source: IDTechEx
 
しかしIDTechExでは最近、大型ビデオディスプレイ・大型テレビ、スマートウォッチ・ウェアラブル端末、拡張現実など、ごく一部の用途にのみに多くの取り組みがなされているはっきりした動向を目にしています。
 
移行の追い風
 
ミニLEDとマイクロLEDについての議論において、この2つを区別するうえで非常によく挙げられる特徴がLEDのサイズです。ミニLEDとマイクロLEDはどちらも無機LEDをベースにしたものですが、その名が示すようにミニLEDはサイズがミリメートルレベルのLEDとされており、マイクロLEDはマイクロメートルレベルのサイズのものです。ただ、その区別は実際にはそれほど厳密なわけではなく、人によってその定義が異なる場合もあります。とはいえ、一般的な判断基準として、マイクロLEDは100µm未満のものを指し、中には50µm未満のものもあります。それに対しミニLEDは、はるかに大きなサイズのものです。
 
ディスプレイ業界において、サイズはミニLEDディスプレイとマイクロLEDディスプレイについて語るときの一要素にすぎません。もう一つの特徴がLEDの厚さと基板です。ミニLEDの厚さは通常100µmを超えますが、それは主にLED基板があるためです。一般的にマイクロLEDには基板がないため、超薄型のLED製品が実現できます。
 
この2つを区別するのに用いられる3つ目の特徴は、LEDを扱う際に利用される大量移載技術です。ミニLEDでは通常、表面実装技術を含む従来のピックアンドプレース技術が採用されており、一度に移載できるLEDの数には限りがあります。マイクロLEDについては、移載先に複合基板が使用される場合、通常数百万個のLEDを移載する必要があります。したがって一度に移載すべきLEDの数は極めて多くなり、そのため、革新的な大量移載技術を検討する必要があります。
 
業界がMini-LEDからMicro-LEDに移行するにつれ、課題は山積しています。しかし、Mini-LEDディスプレイの急速な普及は、Micro-LEDの将来への基礎を築きました。サプライチェーンはステップを踏むごとに強固になり、専門知識も蓄積されていきます。
 
IDTechExの調査レポート
 
マイクロLEDディスプレイの可能性を完全に把握するには、技術、市場環境、革命を推進するプレーヤーについて包括的に理解する必要があります。IDTechExの調査レポート『マイクロ LED ディスプレイ 2024-2034年: 技術、商品化、ビジネスチャンス、市場、有力企業』は、エキサイティングなマイクロLEDの世界をナビゲートするガイドとなります。ぜひ、ご活用ください。
 
MicroLED display fabrication processes. Source: IDTechEx
 
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